昨日、BSプレミアムの「ザ・プロファイラー」でポル・ポトについて特集していました。
この人みたいな人間に権力を与えてはいけませんね。
写真家の一ノ瀬泰造さんが取材に行ってポル・ポト率いるクメール・ルージュに殺害されるのですが、その当時の社会状況が複雑すぎてよくわからないでいました。
ですがV6の岡田准一くんと田原総一朗の説明で大体理解できました。
イデオロギー的な問題が根本にあったわけですね。
今は戦争というと「イスラム国」が出てきたりして、宗教対立っぽい構図が見られますが、第二次世界大戦後の世界は「資本主義陣営」と「共産主義陣営」がバチバチと火花を散らせていました。
アメリカとソ連の冷戦。
ベトナム戦争と。
世界中は「社会とはどうあるべきか…」「豊かさとは何か…」「生きるとは何か…」ということをケンケンガクガクと真剣に議論し模索していたわけですね。
日本で言う学生運動、「全共闘時代」というのがそれにあたります。
「資本主義社会」は成長の過程で格差や貧困・階級を生み出し、「お金」に権力を与え、貧しい労働者の犠牲の上に富と支配を一部の人間に与えてしまいました。
歪(いびつ)で不公平な社会です。
そういった社会の欠点や矛盾に不満を持った人たちの中からカール・マルクスという人が出てきます。
「資本論」の著者です。
資本主義を分析したところから、共産主義に力を与えることになります。
「格差」を生み出す「資本主義」と真逆なのが、「平等」を唱える「共産主義」なのです。
「共産主義」というと一見凶暴なイメージがわきますが、もともとは「みんなが同じく豊かになる社会」を目指したものです。
ユートピアともいうべき理想郷を夢見た思想なのです。
ポル・ポトがカンボジアで行ったイデオロギーが、その「共産主義」です。
しかし彼の「共産主義」思想は、「原始共産主義」ともいうべき急進的で極端な過激思想だったのです。
「みんなが豊かで幸せな社会」を作るはずだったのに、結果的に約200万人ともいわれる人々を虐殺してしまったのです。
本末転倒です。
人の「命」より自らの「イデオロギー」の方を大切にしてしまったのが、ポル・ポトという独裁者だったのです。
しかしポル・ポトには何の罪悪感もありません。
この人にはこの人なりの使命感で行なった結露だったので、彼にしてみれば「正義」だったのです。
こういう権力者が一番タチが悪いです。
僕の考えでは「資本主義」と「共産主義」は、「コレラ」と「ペスト」ほどの違いしかありません。
何事も行き過ぎはよくありません。
【過ぎたるは猶及ばざるが如し】です。
「中庸」。
バランスのとれた社会がベストだと思っています。
第三の道…。
パラダイム・シフト…。
そして生まれてきた人たちが、すべからく幸せになれる社会を目指し、模索し続けるのが人間が与えられた叡智だと考えています。