「通貨とは何か?」
あまりにも日常的過ぎて考えたことがない人がほとんどでしょう。
しかし「通貨とは何か?」を考えていかなければならない時代に入ったように感じます。
インターネット上の仮想通貨である「ビットコイン」が発案され利用者が急激に増えた理由には、現実の「通貨」に信用が持てないという人が多く出てきたからです。
「ビットコイン」は資産の逃げ場所になったのです。
そこで一時期は「金(キン)」の値段なども上がりました。
なぜ現実の「通貨」に信用性がなくなったか。
その大きな原因として上げられるのは先進国を中心とした巨額の財政赤字にあります。
国が破綻してしまえば、自国の「通貨」が紙くずになってしまうからです。
ギリシャやキプロスはIMFの援助を受けて財政再建にあたっていますが、緊縮財政の中において社会保障や福祉が縮減され、国民の生活は疲弊しています。
そしてこれは日本にとって「対岸の火事」ではありません。
なぜなら世界最大規模の財政赤字をかかえているのは、「日本」だからです。
1000兆円を超えています。
GDP世界第3位の経済規模をIMFでは支えられません。
他国に援助を頼もうにも、どの国も自国の財政赤字だけで精一杯です。
その危機の中に「日本」はあるということを知って下さい。
金本位制の時代には「金(キン)」の裏付け無しに通貨を発行することはできませんでした。
しかし1971年ニクソン大統領の通貨改革によって「金(キン)」とは切り離した通貨発行が可能となりました。
通貨量が時代に合わなくなったからです。
2008年9月15日、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻したことに端を発して続発的に世界的金融危機が発生しました。これが俗にいうリーマン・ショックです。
これによって株価などが暴落し、世界のから大量の「通貨」が消え去りました。
「通貨」の消滅。
通貨とは消滅するのです。
そしてアメリカ合衆国の中央銀行総裁ベン・バーナンキ議長がおこなったことは「量的緩和政策」です。
FRB(アメリカ合衆国中央銀行)は国債を買い取り市場に大量の「通貨」を流通させました。
世界の「基軸通貨」はドルであるため、日本は円高という事態にみまわれました。
そこで安倍総理がおこなったことも「金融緩和政策」です。
日本銀行に国債を買い取ってもらい、消えてしまった「通貨」日本円を大量に発行したのです。
日本銀行の黒田総裁は2%の物価上昇を目指していますが、今もなお目的は達成できていません。
その理由は、一般市民に「通貨」が届いていないからです。
「通貨」とは
そもそも中央銀行とは何なのか?
日本銀行、FRBも含め主要先進国の中央銀行のほとんどは非上場の「株式会社」です。
変な感じですね。
陰謀論みたいな話になってしまうので、中央銀行についてはこの辺でやめておきます。
「通貨」とはつまるところ「信用」です。
「石ころ」でも「葉っぱ」でも、「信用」さえあれば「通貨」になりえるのです。
公共通貨(パブリック・カレシ―)、ドイツではアドルフ・ヒトラー、日本では高橋是清が第二次世界大戦中に発行しました。弱点はインフレ。これを解消出来たら、人類に新たな希望を与えてくれることになると考えています。