経済産業省はスマートフォンやテレビに使われる半導体などの製造に必要な材料「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」「レジスト」の韓国向け輸出規制を強化すると発表した。
半導体の基盤に塗る感光剤の「レジスト」は、日本企業が9割のシェアを持っている。
日本政府が【元徴用工問題】で強行姿勢に出たということだが、愚かなことだ。
何の解決にもならない。
「日韓関係」が悪化するだけだ。
この様な貿易戦争は、トランプ大統領のマネをしたのだと思うが、外交努力をせずに経済力の強さを利用して政治的圧力をかけるというのは【帝国主義的】やり方だ。
昔から、アメリカや日本のお得意とすることだが、グローバリズムの現代社会においては【諸刃の剣】になる。
家電メーカー「サムスン」の製品、「スートフォン」「テレビ」などを作るためには世界中の企業から部品を調達しなければならない。
そして日本企業も韓国に進出して経済活動を行っている。
韓国に対して輸出規制をすることは、世界中の企業、そして日本企業にも悪影響を及ぼすこととなる。
【サプライチェーン】を理解していれば、この様な愚かな政策は行わなかっただろう。
【元徴用工問題】でおさえておかなければいけないことは1965年の【日韓請求権協定】で、どの様なやり取りがあったかということだ。
日本は過去に韓国を植民地支配した歴史がある。
そう遠い昔ではない。
韓国を武力で制圧し、支配し、日本語教育まで行った。
言語というのは、その国の文化であり、アイデンティティーでもある。
韓国人から韓国人である「証(あかし)」を奪い取ったのだ。
日本の満州・東南アジア圏を侵略するための「兵隊」として「武力」として、また「軍人」達の慰めものとして韓国人女性が【従軍慰安婦】の役割を強制的に強いられた。
そして「新日鉄住金」「三菱重工業」「不二越」などの日本企業は、韓国人を奴隷として強制労働に従事させたのだ。
【人権】を無視した「帝国主義支配」を行った。
1965年の【日韓請求権協定】というのは、これらに対する「韓国国民」の怒りにより締結されたものだ。
韓国政府も国民の世論の強さから、動かざるおえなかった。
当時の日本政府は、韓国政府の申し出を受け入れたというのが、この「協定」である。
しかし日本政府は、【従軍慰安婦】【徴用工】で犠牲をになった人、【個人】には目を向けていなかった。
日本が重視したのは韓国政府だった。
犠牲者に目を向け、一人一人に「損害賠償」・「慰謝料」を支払えば良かったものを、結果的に「経済援助」という形で韓国政府に約4兆円の支払いをしたのだ。
韓国政府も「したたか」であったのだろう。
どこの国の政治家も「国民」のための政治などやっていない。
そのため約4兆円の「経済援助」で、犠牲者に対して「損害賠償」・「慰謝料」の支払いが行われることは無かった。
韓国政府が行ったのは、大規模な「公共事業」・「インフラ整備」だった。
大規模な都市開発では、「カンサム」が有名である。
有効需要の創出により、国全体の【富】は生まれただろう。
しかし【従軍慰安婦】や【元徴用工】の人達の心の傷は癒えなかった。
国民の感情も癒えなかった。
それが現在に至る【反日感情】を抱かせている原因だ。
【元徴用工問題】で理解すべきは、【三権分立】である。
「司法」・「立法」・「行政」は権力の集中を防ぐために、各々が独立しているということだ。
そのため今回の問題を考えてみれば、最高裁の判決に韓国政府が口出しできない。
「新日鉄住金」「三菱重工業」「不二越」に対する「損害賠償」・「慰謝料」の請求は、民主主義国家において「正当性」を持つこととなる。
この問題は、非常に難しい。
この難しい問題を解決する方法は、時間をかけた外交努力しかないと僕は考える。
